(ぷちSS)「穂積さやかのよあけなラジオ 〜若き博物館館長代理編(仮)」(夜明け前より瑠璃色な)(穂積 さやか)

 みなさん、こんばんは。穂積さやかです。
 わざわざタイトルに『若き』と付いているところに何か含みを感じますが、
それはわたしの気のせいかしら。だったらいいのですが。


 あらためましてこんばんは。パーソナリティー穂積さやかです。
 どういうわけか、ラジオのパーソナリティーというものをすることに
なってしまいました。これも博物館館長代理としての仕事だということ
ですので、精一杯やりたいと思います。
 それでは、最後までお付き合いください♪


 それでは、番組第一回なので当たり前のようにお手紙などは来ておりません。
 そもそも募集していないのだから、来るはずがないの。ごめんね。
 そこで、第一回目にもかかわらず、ゲストを呼んじゃいました。
 月のスフィア王国から地球に駐在している武官にして秘書官でもあり、
そして、わたしの親友といえば、もうみなさんおわかりですね。
 カレン・クラヴィウスさんです。どうぞ〜。
「こんばんは。カレン・クラヴィウスです」
 今日はありがとうね、カレン。正直、わたしひとりでどうしようかと
思っていたところだったのよ。
「さやか、マイクが音を拾っていますよ」
 あ、あはは〜、やっちゃいました。すみませんでした、みなさん。ぺこり。
 何はともあれ、こうしてカレンが来てくれたのだから勇気百倍。
 それではゲストにカレンをお招きしての初コーナー、行っちゃいましょう♪


カレン・クラヴィウスの癒しの風』


「って、ちょっと待ちなさい、さやか!」
 どうしたの、カレン。マイクが音を拾っていますよ?
「そんなことは問題ではありません。どうして私がこのコーナーをやらねば
ならないのですか」
 それはもちろん、大人気コーナーだからに決まっているじゃない♪
「先ほど、番組第一回と言っていたように聞こえましたが」
 大丈夫よ、カレン。大人気コーナーになること間違いなしだから。
「なんと言われようと、私はやりませんからね」
 仕方ないわねえ。それではちょっと早いですがCMです。

                                                                                                                                • -


 こんばんは。今宵もあなただけにお届けする『よあけなラジオ』。
パーソナリティー穂積さやかと、
「ゲストのカレン・クラヴィウスで、お送りしております」
 さて、何事もなかったかのように後半戦もがんばりましょう♪
「そうですね。では、次のコーナーです」


『しあわせの配達人』


 視聴者様からのメールをお伝えするコーナーなんですが、先ほども
言いましたように、この番組にはまだメールが来ておりません。
「そこで、今回は私が書いてまいりました」
 カレンが?
「ええ。それでは読み上げますね」
『親愛なるさやかへ
 あなたと過ごすようになって、ずいぶん経つような気もしますが、実際は
まだそんなに月日は経っておりません。
 それは、あなたと過ごす日々が、とても充実した毎日だからなのでは、
と思います。
 家族を大事にし、月と地球の関係をより良いものにしようと努力している
あなたは、私の誇りです。
 これからも、良き仕事仲間であり、良き友であらんことを願って。
                             カレン』
 カレン……、ありがとう。わたしもあなたを友人として紹介できることを、
とても誇りに思います。これからも、よろしくね。
「ええ。こちらこそ」
 というわけで、今日の『しあわせの配達人』は、カレン・クラヴィウスさん
でした〜。


 さてさて、あっというまにエンディングとなってしまいました。
「時間の経つのは早いものですね」
 ほんとうに。それでは、告知です。
 次回の放送日ですが、現時点では決まっておりません。
「では、どうすればいいのですか?」
 それは、みなさんの声援しだいです。望む声があればあるほど、再会できる
日も近くなります。
 わたしも、またみなさんに会える日を楽しみにしておりますので、ぜひぜひ、
番組宛にお便りをお寄せくださいね。
 ちょっと早いですが、次回のゲストはエステル・フリージアさんを予定して
おります。
エステルに聞きたいことがある方は、次の放送までにお手紙を頂ければ、
私が責任を持ってエステルまで届けますので」
 みなさん、よろしくお願いします〜。
 というわけで、お届けいたしました『よあけなラジオ』、いかがでしたか。
 なにぶん、不慣れなこともあり、お聞き苦しいところもあったかと思い
ますが、次回はもっとおもしろい番組にしたいと思います。
「大丈夫、さやかならきっとできるわ」
 ありがとう、カレン。
 では、みなさま、しばしのお別れです。
「今日のゲスト、カレン・クラヴィウスと」
 パーソナリティー穂積さやかでした〜。
 おやすみなさい、よい夢を……。