「雪さんのドキドキめざまし」(水月)

 ふわっと浮かんでいるような感覚。
 夢と現実の狭間がこんな感じなのだろうか。
 ゆうべは自分のベッドで眠ったのは覚えているし、実際に今眠っているという感覚もあ
る(眠っているのにどうしてわかる、と聞かれると困るけど)
 かといって、夢を見ているわけでもない。
 意識は目覚めかけているものの、身体が起きてくれない。
 そんな感じ。
 なんとか寝返りをうとうとしてもなかなかできなくて。
 たっぷり10分ほど時間をかけて、ようやく身体を横にすることが出来た。
 首をひねって枕元に置いてある時計を見る。
『6:10』。
 無機質なデジタル表示を見て、今日はいつもよりも早いなあと、のんびりした感想を持っ
た。
 せっかく早起きしたというのに、これじゃ何もすることができない。
 意識だけが起きていても、身体が起きてくれないんじゃ全く意味がない。
 どうしたものかと思っていると、すたすたと廊下を歩く音が聞こえて、そしてトントンと
ドアをノックする音が聞こえた。
「透矢さん。起きてらっしゃいますか?」
 控えめだがしっかりとした口調。雪さんだ。
 雪さんは、僕、瀬能透矢の専属のメイドさん、ということになっている。
 なんでもこなすすごい人で、いつもお世話になりっぱなしだ。
「透矢さん?……失礼します」
 僕の返事がなかったからだろう、雪さんはドアを開けて部屋に入ってきた。
 僕はといえば、返事をしたかったのは山々だが、声を出すことが出来ない状態だ。
 もしかして、これは『金縛り』という状態なのだろうか。
 今さらながらそう思った。
 部屋に入ってきた雪さんはベッドの傍らに立つと、
「おはようございます、透矢さん。そろそろ起きないと学校に遅刻してしまいますよ?」
 と言った。
 あれ?さっき見た時計は確か『6:10』だったはず。この時間ならあと1時間はゆっく
りしてても大丈夫なはずだけど。
 動けず声も出せない状態なので、時計の方に視線を動かすと、雪さんもつられてそっちを
見た。数秒間の間の後、
「どうやら時計が止まっているようですね」
 と言った。
 ………………あまりにもありがちな展開で、思わず苦笑した。
「では、起きてくださいますか?朝ご飯の準備も整っていますから」
 雪さんの言葉に従いたいのだが、やはり身体は言う事を聞いてくれない。
「……?お身体の具合でも悪いんですか」
 雪さんは僕の額に手を伸ばす。雪さんの手の感触はひんやりとしていて、けれど柔らかく
て気持ちよかった。
「熱は……ないようですね。では、失礼します」
 そう言うと、雪さんは僕の布団をめくった。
「……あら、こちらは元気なようですけど」
 雪さんはソレを見て、いたずらっぽく笑った。
 僕は自分の身体なのにどうすることもできず、ただ顔を真っ赤にするだけだった。
「これは……静めないといけないようですね」
 ゴクリ、という音が雪さんの喉から聞こえたような気がした。
 雪さんは手馴れた様子でソレを引っ張り出すと、
「ご奉仕……させていただきますね?」
 と言うが早いか、ソレをぱくっと口に含んだ……。


続きが気になる方は……。


ごめんなさい。
続きなんて書けません。


4月1日だから、なんとなく書いてみようという理由で書いただけなんです。


それでも続きが読みたいと言う方は、掲示板なりメールなりでご連絡をどうぞ。
場合によっては続きを書くかもしれません。


ちなみに、この作品をPC版とすると、コンシューマー版が毎月連載予定の『雪さんSS』に
なります。ご了承ください。


本当に期待してこのページに飛んできた方。
申し訳ありませんでしたー(ぺこり)。