夏はまだ終わらない

「わたしたちの夏休みはこれからだ! そして、わたしたちの夏休みの
宿題もこれからだ!! ……終わらない、なんてことはないよね?」


死ぬ気という言葉は嫌いだ。


最近は、天気が変わるというか、空模様が変わっているような気がします。
晴れようが雨ようが、暑さが薄まるわけでもないのだし(笑

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 扉を開けて外に出た。少しぐらいの休憩では太陽の活動時間をまぬがれる
こともなく、セミの声が暑さを拡張して伝えてくる。
 先ほど飲んだばかりのお茶も、体内から蒸発するのではないかと思える。
「まったく、いつまで続くのであろうな」
「……さあ、考えたくも無いわね」
 隣には、音も立てずに桐葉が立っていた。
「遅かったではないか」
「……着替えるのに手間がかかったのよ。それにしても、どういう風の
ふきまわしなのかしら」
「ふ、たまにはよいだろう」
「……水泳は楽しかった?」
 なぜ知っている!
「ふふふ、まあいいわ。主と一緒の服装というのも、悪くない」
 あたしと桐葉は、おそろいのメイド服を着て歩き出す。
 夏はまだ終わらない。終わるのは、おそらくもう少し先だろう。
「桐葉」
「なあに、伽耶?」
「……落ち着いたら、旅にでも出ないか」


おわり

                                                                                                                                                                • -


というわけで、終了です。
いろいろ書かなかった部分、書けなかった部分、足りなかった部分はありますが、
これにて完結。
気が向いたら、まとめておきます。


それでは、明日もエステルマジカルがんばります。