倒れる前に
「……言ってくれれば、いくらでも手伝うのに。もう、がんばりすぎなの。
今日は無理にでも休ませるんだからね、休まなかったら泣いちゃうからね?」
今日は結構がんばった、と思うぐらい仕事をしたのですが、寒かったからか、
背中が痛いです。うー、お風呂でゆっくりしよう……と思いながらも、結局は
いつもどおりさっさと洗って出てしまうんでしょうが(笑)。
風呂でゆっくりする習慣ってないんですよねー。
「ねえ、ちょっとちょっと陽菜」
「うん、どうしたの?」
「支倉君って、ローレル・リングに入ってるの?」
「孝平くんが言うには、臨時の会員みたいだけど」
孝平から聞いたことを、陽菜はクラスメイトに簡単に説明する。
「臨時かあ、その手があったか。なるほどね」
「何がなるほどなの?」
「だってさ、あの制服を着てみたいと思わない? さっきも、4年生の東儀さんが
着てたけど、実は結構人気があるんだよ、あれ」
「そうなんだ」
「うんうん。陽菜の美化委員会の制服が一番人気なんだけど、ローレル・リングも
秘かに人気なんだよね」
「それじゃあ、みんなで臨時会員になるってのはどう?」
「わ、お姉ちゃん」
「ゆ、悠木先輩、いつからいたんですか?」
「ひなちゃんのいるところに、わたしあり!」
「それ、説明になってないと思うけど」
「それはさておき、ひとりだと気後れしちゃうかもしれないけど、みんなと一緒なら
怖くないものだよね。まるちゃんも、きっと喜んでくれるんじゃないかな」
かなでの説明に、クラスメイトたちは相談をはじめた。
名も無き一般生徒さんを出してみました。これぐらいならいいよね。
少しぐらいは規模を大きくしたいので。