「レンテンローズ 笑う月」 太田忠司 富士見ミステリー文庫

笑う月―レンテンローズ (富士見ミステリー文庫)

読了。富士見ミステリー文庫といえば、「ミステリー」と銘打っている割に
全然ミステリーらしくない作品ばかりなのですが、この作品は純然たる
ミステリー作品です。
アカンサスとプリムラの正体については作品を読めば一応わかるように
なってますが、明確に説明されているわけではないので、読者がそれぞれ
想像するしかない。
あえて説明しない、というところにこの作品のよさがあるのだと思います。
まあ、受け取り様によっては不親切だと感じるかもしれませんけど。
むしろアカンサスとプリムラは物語を締めくくるために必要なだけと
割り切って、ノブさんとミユキ、そしてサムのやりとりを楽しむのも
いいかもしれないですね。